遠間憲太郎様
草木が芽吹く命あふれる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
率直に申します。
わたくし、あなたに恋をしております。
一週間たった今も、恋に落ちたその瞬間を鮮明に覚えています。
居酒屋で、富樫さんから貴志子さんの事を冷やかされたとき、
「遠くからみているだけでいいんだ」
と言いながら笑う姿が少年のようで、貴志子さんに恋するあなたに恋に落ちてしまったのです。
いい大人が何を言っているんだとお思いでしょう。いけない、と思いつつも、その瞬間が頭から離れないのです。
目を閉じれば自然とその瞬間が蘇ってきて、何度も恋に落ちてしまうのです。
かなわない恋である事は重々承知です。それもあってか、私は今とても爽やかな気持ちなのです。 純粋にあなたの幸せを願っております。
ただ、あの瞬間のあなたがどれほど素敵であったかをお伝えしたくて、筆をとった次第です。
今度、貴志子さん、富樫さん、そして圭輔くんとフンザに行くと伺いました。
どうぞ、お気をつけて。それぞれの三つの星を見つけてきてください。
うきたん
しばらくブログから遠ざかっていましたが、どうしてもこれを伝えたい!といてもたってもいられなくなって筆(?)をとっています。
なんでしょう、この爽やかな気持ちは。
一晩たってもさざ波のように押し寄せてくる興奮は冷めやらず、さりとてこの気持ちのまま眠りにつきたいような心地よさ。
筆をとっていますといいつつ、↑ここまで書いて数日経過 笑 そして今もなお爽やかな気持ちですごしています。恋って素晴らしい!久しぶりの感覚です。
そんな気持ちにさせてくれたのは 「草原の椅子」
そう、宮本輝の「草原の椅子」の映画版です。
最近は、動画難民であまりのめりこんで見られる作品がなくて、一話の冒頭をみて面白くない、あぁ、これは今の気分じゃない、な感じで、なかなか飲める込める作品がなかった中、偶然みつけたこの作品。
私の大好きな宮本作品!そよ風グループ!笑
しかも主演は大好きな佐藤浩市氏! もうこれは原作的にも演者的にはダメな要素なし!
と思ってみはじめたのだけど、
あれ?あれ?あれーーーー???
もしかすると、私小説の内容覚えてないかも笑
考えてみれば読んだのは20年も前なわけで、最近の脳の劣化を考えれば致し方ない!
そんなわけでまったく新しいものとして楽しむことができたのでした。
そして
「遠くからみているだけでいいんだ」
と言いながら笑う姿が少年のようで、心をわしづかみにされてしまったのでした。(↑の動画の 0:15頃)
そしてフンザの景色。 そこで私は気が付いたの。
いつかカラコルムハイウェイを通って広がる景色を見たいんだと思っていたのだけど、なぜそんな地名をしっているのか、なんで行きたいと思ったのか、ずっと忘れてた。
だけど映画を見て合点がいった。
そうか、20年以上も前にこの小説を読んでいきたいと思ったんだ。
そこで描かれた、目を閉じればそこに風景が広がるような描写を読んで いつかいきたいと思っていたんだ。
地図を開いて、あぁ、ここか、と思いを巡らせたことが昨日のようによみがえってきた。
こんなに今の私を形作る影響を与えているのに、ぜんぜん小説の内容を覚えてなかった私。もう物忘れの激しさが半端ない!
だけど一方で・・・・私は小説の中で描かれる”景色”がみたいだな、と妙に合点がいった。物語そのものではなく、その自然、時代背景、歴史など。
この小説では、パキスタンであり、フンザであり、草原の椅子であり。
「ドナウの旅人」では、ドナウ河畔の景色であり、黒海であり、
「星宿海への道」では中国の景色であり。
作者は違うけど、遠藤周作氏や山崎豊子氏の作品では歴史であり長崎の景色、中国の景色であり、「深夜特急」では車窓だったり川だったり。
そんなわけで、映像世界でなく、小説の中で描かれる世界をもう一度体験しようと、ページをめくってみると
「ーあなたの瞳のなかには、三つの青い星がある。ひとつは潔癖であり、もうひとつは淫蕩であり、さらにもうひとつは使命である。」
この一文を読んだら、うわあぁぁぁぁぁっていろんなことを思い出した。
そうか、小説で読んだことは視覚的に覚えてるんだ。音じゃないんだって気が付いたの。
というわけでただいま小説を読み直しています。もう一度 藤間さんに恋するために(^^
Amazon Primeでは見られなかったのですが、U-NEXTでは見放題タイトルになっていますのでよろしければチェックしてみてください✨